5章2;体に侵食される心

「ふふふ、何でしたっけ。『金成君ってヘンタイよね』でしたっけ」
 そう言いながら精子さんが私の背中をなぞる。
「んあぁぁ!」
 ゾクゾクとしながらお尻が揺れる。
「クラスメートの前でこんな格好してる織乃のほうがずっとヘンタイだよね、フヒヒ」
「だから言いましたよね。あのセリフはフィギュアのメスに対する嫉妬だって。本当はこの娘もフィギュアのように豚男さんに愛でられたいのよ」
「何を言ってるの、頭いおかしいっっんんふぅぅ」
 言いかけた私の言葉を止めるように精子さんが乳首を水着の上からつねる。クイッと無理やりきつく引っ張られる。反射的に内股になって全身が快感に反り返る。
「つかっていいんだよね」
「そうですね。自らこんな格好をして物欲しげに尻を振っているわけですから、今更そんな気分じゃなかったとは言えないわよね」
 反論しようとするより早く、金成君の手が私の尻肉を捉えた。がっちり男らしい手だ。そして次の瞬間、
「んひゃあああ!あっあっふぅl!」
 抗議の声ではなく媚びた女の声が勝手に口から出てしまう。太いペニスの挿入感。ズリズリと小さな大人のおもちゃごと無理やり一番奥まで一気に貫かれる。熱いなにかがどんどん入ってくる感覚・
「んほっ!らめっ!なにこりぇええ!おっほぉぉぉぉぉぉぉおおおお」
 ガクガク膝が快感にわらう。奥に来るたびに意識が飛びそうなほど快感が攻めてくる。この間のエッチよりも更に凶悪だった。今にも快感に倒れ込みそうになる。
 でも、崩れないのは金成君ががっちり抑えているから。
「一突きでイってしまうとは随分とオスが恋しかったようね。次からイクときは行くとちゃんといいなさいね。メスの嗜みよ」
 そう言いながら私の耳をねっとりとなめる精子さん。ただ舐められているだけなのにゾクゾクして、まるで耳越しに脳みそを舐められているみたいでおかしくなりそう。
「ひゃっ!んんん!あああ!だめえ!」
 つかれるたびに今までなかった感じに胸がどきどきしてキュンキュンする。まるで私の鼓動を股間で支配されてしまってるみたい。グチュグチュ水音に連動して快感が波のように私を洗う。そしてそのたびにうるさいほどに心臓がドキドキしてしまっている。
「織乃!織乃!いいいぞぉぉ!」
金成君の声。呼び捨てにされてももうどうも思わない。嫌悪感より下半身の悦楽が脳を支配する。
「殿方に名前を呼ばれたら、呼び返すのがメスの嗜みよ。ほら、豚男君って」
 まただ、ゾクゾクっとする。
「あっあっっふぅ!ぶっ豚男くんんんっ!ひゃんっあああ!」
「あああ!織乃!織乃ぉ!」
「あっ!豚男君んっ!ふはぁぁぁん!豚男くんんっっふぅぅ!」
 パンパンパンっと肉のぶつかり合う音に合わせて名前を呼び合う
 今まで吉邑君以外に下の名前で呼び合う男子はいなかったとか、そんな事考えられなくなっていた。ズンズンつかれるたびにキュンキュンして、名前を呼ばれるたびにドキドキしてしまう。
「織乃!織乃ぉぉ!」
「んはっぁぁぁ!ぶ、豚男くんんんっっ!豚男くうううううんん!はっっはぁぁ!」
 速度を早める腰使い。私のドキドキがどんどん加速していってしまう。全身が夢見心地なのに気持ちよくて、まるで股間ごと脳みそが揺らされてるみたい。
「ひゃっ!あっ!らめっ!またくりゅううう!イッちゃう!イッちゃう!イッちゃううううううう!」
 また全身が震えて絶頂に倒れそうになる。それを力強く金成君が支える。
「んんひっ、最高だよ織乃!喉乾いたろ、精子、水を飲ませてやれ」
 すこし腰使いがゆっくりになる。絶頂直後の敏感な体にはありがたい。
「ちゅっ…ちゅるるるるる…・こくこくこく」
っと精子さんから口移しで水分補給される。ただの水なのに精子さんの舌に口の中をかき混ぜられながら飲むとすごく美味しくて、エッチな気分になってしまう。
「っぷはぁっ!あんっ!豚男君っっあ、ありがとうぅ!」
「織乃、俺ももう少しだ!」
 叫びながら金成君が胸を鷲掴みにする。太い金成君の体に背後から抱きしめられて、包まれているような気分。
「織乃!織乃!最高だあああ!」
「ああああ、豚男君っ!豚男くううう!すごい!すごいいいいいい!だめ!だめっえええええ」
 全身を包み込まれながら与えられる快楽。脳が焼ききれそうでまともな思考なんか存在しないみたい!
「織乃!織乃おお!このヘンタイいいいい」
「ふぁぁぁんん!ぶっ豚男君!豚男君のぉぉヘンタイいい!」
 お互い相手の言葉を否定せずにパンパンと腰をぶつけ合う。すっかり快感以外のすべてを忘れてしまう。こんなに気持ちの良い世界があったことを私は知らなかった。
「ああああ!らめっ!らめっっ!まらっ、らめになっちゃううううううううう!ぶ、豚男くんのせいれぇええええ、らめになっちゃううう」
 絶叫する。
「イク!イク!イクううううううううううう」
 今度は膝から崩れ落ちた。豚男君が支えなかったからだ。ガクガクと脳を揺する快楽の波に飲まれながら床に倒れる。そんな私の上にパタパタと白い雨が降る。クンクンっと匂いを嗅ぐ。これの匂い先週は知らなかったのに、今はとても大切な匂いがする。絶頂に脳が焼き切れながらもポカポカしてドキドキしている。ダメなのに、こんなのダメなのに。もうやめないとおかしくなっちゃう。キュンキュンしている股間を押しとどめようと手で押さえてしまう。
 その後、精子さんが夕食を用意してくれた。精子さんの手料理を豚男君の部屋で三人で食べる。あの後シャワーも浴びずに精子のついたスク水ニーソックスのままだ。我ながら頭がおかしいと思う。でも、わかったのは豚男君の家自体が頭がおかしいということだった。
「フヒヒ、スク水の織乃もかわいいなぁ」
「何言ってんのよ。豚男君、そんなヘンタイだからクラスに友達がいないのよ」
「フヒヒ、そのヘンタイな格好をしてる織乃に言われても説得力ないなぁ。精子、水」
「はい、…チュッチュルルルル」
 当然のように口移しで水を飲ませる精子さん。これさえなければかっこよくてすごくできる女の人なのに。そもそも豚男君の前にコップすら置かれていないし。料理は全部、精子さんが切ってあげてるし。
 そしてこの場所で異常こそが普通だった。屋敷の内と外で常識が違う。だから余計にダメだ。このままここで働き続けたら。なれてしまう。この異常に。
 その帰り道、スマホでFGを開く。豚男君から送られてきたアイテムを受け取る。異常な環境で育った残念な男子だとわかったから。これが彼にとってのコミュニケーションなのだろう。吉邑君という友だちがいる私はなんて恵まれているのだろうか。

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