オークファンタジー:第十一話:触手に敗北した薔薇騎士団長 

第8章 触手に敗北した薔薇騎士団長 

 一方そのころ、アルトリカは一人で山中にある洞窟を目指していた。普通の常識があれば騎士団長が一人だけ分かれて他の場所に行くことなどあり得るはずがない。だが、アルトリカもその他の騎士たちも既にティムポーの洗脳によって変えられてしまった。他の棋士団員たちは皆オークの集落へ行き、そしてオークたちに屈服し敗北し、自らを差し出していた。それが作戦通りだと信じながら。

 しかしアルトリカは知らない。彼女は他の騎士たちが今頃オークの集落を破壊し尽くしているものと信じながら一人すすんでいった。山中の洞窟、そこにオークの秘宝があると彼女は信じていた。実際はティムポーによって植え付けられた情報だが、その秘宝を手に入れるために一人で進んだ。

 洞窟内にはヒカリゴケが生えているため、そこまで暗くはなかった。かなり奥深くまですすんでも出てくるのは雑魚モンスターばかりだ。彼女の背後にズルズルと近づく存在にアルトリカは気が付かない。いや、気が付かなくされているのだ。洞窟の奥深くに入った時、ついに彼女の背後にズルズルと人ならざるものの音を立てながら追跡していた存在は彼女に手を出す。

 最初にアルトリカが気がついたのは何かが足に引っかかった感覚だった。石にでもつまずいたかと思って足元に目を凝らした次の瞬間、足首に絡みついた触手が彼女を一気に引き寄せる。足を取られ、体勢を崩し、引きずられるように化物に引き寄せられてしまう。ズルズルズルっと引きずられながら彼女が見たのは巨大な触手の絡まった球体だった。人間なら誰でも生理的な嫌悪感を感じずにはいられないようなウネウネと脈動する緑色の触手、しかもそれらは粘液を分泌しているらしくテカテカと粘液に輝いており、その触手の先端から時々弾けるようにぶちゃっと体液を吹き出している。

 今まで背後に迫っていたその触手を認識できなくさせられていたアルトリカだったが、一度認識すると今度は恐怖と気持ち悪さに全身怖気が走った。しかも触手は容赦なく彼女の両足に絡みつき、逆さ吊りにした上で左右の足を大きく開いたのだ。重力によって下がるスカート、洞窟内の冷たい空気がスースーする。そしてそこで初めてアルトリカは気がついた。彼女は下着を穿いていない。本人は穿いてつもりでいたのだが、当然のようにそれも捻じ曲げられた認識、ティンポーはこの触手の化物がアルトリカを犯しやすくするために彼女に下着を履いたと錯覚させて実質何も履かせていなかったのだ。

 騎士のシミひとつないスカートの間から露わにされた陰部。金色の陰毛が洞窟内の薄暗い明かりの中に照らし出される。
「くそ、貴様!何をする」

 そう言って剣を抜いたアルトリカだったが、その次の瞬間足を掴んでいる触手が彼女をぶわんと振り回した結果、彼女の手を家宝の封建が離れて落ちてしまう。カランカランっとマヌケな音を立てて落ちてしまう剣。絶望に染まるアルトリカの凛々しい顔。

 じつはこれも全てティンポーの復讐の一環だったのだ。アルトリカにはこの触手に対していかなる抵抗も許されていない。あがけばあがくほど彼女の抵抗は彼女自身の手によって失敗していくのだ。もはやとっくに彼女の心も体も彼女自身のものではなかった。だが、それを知らないのは本人だけだ。
「くそっ!この下等なバケモノがぁ!」

 叫ぶアルトリカの声が洞窟内に響き渡る。だがそれも一瞬のこと、叫んだ彼女の口に触手がねじ込まれる。白く美しいアルトリカの歯にねじ込まれた緑色のグロテスクな触手。果敢にその触手を噛み潰そうとするアルトリカだったが、噛めば噛むほど、ぐじゅぐじゅと苦い液体が分泌されていく。そしてついに彼女の口に押し込まれた触手の先端からゴポッっと音を立てて更に身の毛もよだつ用なおぞましい味の液体が噴出される。

「ぐほっぐぷんふっはぁはぁ…」
 突然のことに噛み続けられなくなるアルトリカ。彼女は知らなかったことだが、この触手の体液には催淫作用がある。彼女が噛めば噛むほど、彼女自身の体を敏感にしてしまう体液が分泌されてしまっていたのだ。しらずに、あるいは無意識的に彼女に敵意を持った催淫液を摂取してしまうアルトリカ。徐々にほてり始める鍛えられた騎士の肌。のたうつような緑色の触手がえげつない粘液で後をつけながらその体を這い回る。

「ぐはっぷは…はぁはぁ」
噛み切れずになんとか吐き出すアルトリカ。しかし彼女の息は明らかに上がりきっていた。白い肌が桜色に染まってゆっくりと震えている。

 普通なら生理的嫌悪感以外のどんな勘定も感じるはずのない状況。にも関わらず彼女の口からは艶っぽい喘ぎ声が漏れ始めてしまう。
「んんっふぅぅ…離せぇぇっふぅ…」

 もはや先程のような威圧的な声ではない。むしろ懇願するような艶っぽい吐息の混じったものだった。彼女のその言葉を聞くはずもない下等生物はついにその人ならざる身の毛もよだつ用なおぞましい触手を彼女の最も敏感な部分に押し付けようとする。すでに彼女の鎧の隙間から数本の触手が彼女の全身に入り、乳首に巻き付き、首筋を舐め取り、オンナの部分を攻め上げている。
「はぁ…はぁぁんん!こらぁぁ」

 柳眉を逆立てて拒絶しようとする女騎士、アルトリカ。しかしその快楽にそまりつつある表情には普段の凛々しさは見えず、むしろ征服された女の弱さが、制服差に媚びる弱者のへつらいさえ浮かんでしまっている。
「ぁぁんん!、だめなのぉぉ、おねがいだからぁ、そこはやめて」

 陰部に近づく触手にたいしてついに懇願するアルトリカ。戸惑いながらも彼女自身、自分の体が敏感になり、火照っていることは理解しているのだ。そして最も敏感な場所をいじられたときにどうなってしまうかわからないという恐怖が彼女を支配する。逆さ吊りにされ、大股開きにされながらも必死に身を捩って抵抗するアルトリカ。だが、容赦なく彼女の体の上をのたうち回り這い回る触手達。白金の美しい鎧の上を触手を這い回るたびにネチョネチョした分泌液が汚す。それは彼女の白くシワひとつない肌も同じだ。

 鎧や衣類の隙間から彼女の素肌に侵入してくる触手達。彼女の形の良い胸が鎧の下で触手に巻きつけられ、分泌する快楽液を浴びてしまう。
「はうんっ…あぁん!ひゃぁっんん」

 人ならざる気持ち悪い怪物に愛撫されているにも関わらず敏感になったアルトリカの体は上気し、発情してしまう。彼女自身もがけばもがくほどに触手たちに巻きつかれ、全身を愛撫され息も絶え絶えになってきている。そして彼女の抵抗が一通り弱りきったとモンスターが判断した瞬間、怪物はひときわグロテスクな赤い触手を突き出した。触手の先端に綿のような柔らかいザラザラがたくさんついたもので、例えるならばトイレ用のブラシのようだった。

 それをまるで誇示するようにアルトリカに見せつけるようにした後に、徐々に怪物はその器官を持ち上げ、アルトリカの繊細な器官に近づける。
「こらぁっ…やめっ…はぁぁんん…グボッ!!」

 抵抗しようとした彼女の口には触手が打ち込まれている。まるで彼女にこれ以上抵抗できないように猿ぐつわのように突っ込まれたその器官はそのままイラマチオでもするかのようにぐいぐいと彼女の口の中に挿入されていく。

 そして一方逆さ吊りにされた上の方では、まさに大股開きにした股の根本に例の便器ブラシ型の触手が触れた。ザラザラした表面が撫ぜるようにクリトリスを愛撫する。その瞬間感度が上がりきっていたアルトリカの体が触手位からみつかれながらこれでもかと大きく跳ね上がった。絶頂したのだ。口が空いていたならば彼女の嬌声は洞窟獣に響き渡っていただろう。だが、まだ彼女の口には太くてぬめった触手がつっこまれグポグポ挿入を繰り返しながら、彼女を更に敏感にする媚液を体内に流し込んでいる。

 絶頂に震えてピュピュっと潮を撒き散らしたアルトリカの陰部に先程の便所ブラシ触手がゆっくりと侵入していく。ザラザラの表面が擦り上げながら侵入し、声の出ないアルトリカは快感のあまり意識を失いそうになる。にも関わらず、そんなことはまるで関係ないと言わんばかりにニチャニチャと粘っこい音を響かせながらいまだ汚れを知らないアルトリカの秘部に侵入していく触手。彼女の体は幾度もすでに絶頂させられており、触手が快楽を与えるたびにビクンビクンと触手に絡みつかれながら体を震わせている。

 快感に蕩けさせられながらニチャニチャと触手に弄ばれるアルトリカは来るはずのない救援を今すぐにでも失ってしまいそうな意識の縁で望む。ぎっとオークの村を掃討した部下たちが不審に思って洞窟に救援隊を送り込み、このような気色の悪いバケモノなど一瞬で倒してくれる。そう望むことしかすでに四肢を絡め取られ、全身に媚液をまぶされ、触手にとらわれている騎士団長にはできなかった。頼みの部下たちがオークの村で降伏宣言し、自らケツを振ってオークたちに喜々として体を捧げていることなど夢にも思わないのだから。

 救いのない状況で、アルトリカの秘部を侵略していた触手がさらに奥深くに入り込み、そして壁にぶつかる。いままでアルトリカが守り、多くの神聖王国の男たちが夢にまで見た彼女の防壁。処女の証。それがのたうち回る不気味な人ならざるものによってまるで確かめるように擦り上げられてしまう。

 逆さ吊りにされ、抵抗を封じられながらも体をくねらせてなんとか抵抗しようとするアルトリカ。身を捩って逃れようとするが、その動きさえもはたから見れば艶かしく見え、まるで誘っているかのように見えてしまう。ヌルヌルとした生理的な嫌悪感を誘うグロテスクな触手は処女膜を擦り上げるように優しくなでながら、その感触を楽しんでいるようだった。その感覚を感じ恐怖しながらもアルトリカがもがいている。しかし敏感になり、発情してほてった体が触手の中でくねっているさまは客観的に見て発情したメスの動きでしかなかった。

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