ヒプノオーバードーズー悪性暗示依存症候群ー1

今週からぼちぼち次回作を連載していきます。

世界のどこかで神と悪魔が人間について話していた。 神は人間の本性は善であるといい、 悪魔は悪であると主張した。 悪魔は自説を証明しようとし始めた…。
僕はシン、内気な学園生だ。
 学園生活は特に問題ない。
確かに成績は平均以下で、少しのオタク友達しかいないけどね。朝誰も挨拶してくれないくらい大したことじゃない。
 

 ある日、見慣れないものを僕はかばん
の中に見つけた。スマホかゲーム機っぽ
い。電源を入れてみたら、チュートリア
ル画面でこの機械は精神的に人を操るためのものだと表示された。
ありえない。誰かが僕をはめようとしてるんだと思う。僕はそこまでバカじゃない。 それを放り投げようとした時、脳裏に一つのイメージが浮かんだ。
学園会長のエリカだ。僕と正反対、頭が良くて、きれいで、友だちが多くて、親が社長で僕が持っていないものを全部持ってる。学校行事で僕は何度も彼女を見ているのに、彼女は僕のことを見たことさえない。
 もし…もしこのデバイスが本物なら…、僕は彼女と仲良くなりたい。ありえないことはわかってる。これはただの偽物で、彼女は雲の上の人だ。
 たぶん、これはなんかの冗談だ。
 でも密かに実験することぐらいは…。 
 いや、バカなことだってわかってるけど。 1人だけ助けてくれそうな女子に心当たりがある。

 クラスメートのリンならもしかしたら使えるかも…?たぶん僕が話しかけても引かないだろうし…。彼女はクラスカーストの上の方にいるのに…。たぶん、ボクが呼び出すことができる唯一人の女子だと思う…。
 それでも直接話しかけて女子たちに嗤われるのが不安だった。たとえ彼女が僕のことを嗤わないとしても…。
だから彼女に手紙でお願いすることにしたんだ…。なんかこう言うとバカみたいだ。
とりあえず、これが何なのか調べてみないと。 休み時間にトイレの個室でデバイスを調べてみる。 説明によると︙。
1:デバイスから出る光を見た人はどんな命令にでも従うらしい。 
2:初回の催眠は弱いので持続しない。 
3:同じ人に何度も催眠をかければ、催 
眠にかかる時間は長くなっていく。 
4:催眠状態では何でも命令できるが、
その人にとって重要な価値観は変えられない。
 5:ただし催眠を繰り返せば、催眠の深度が深くなり、いずれ重要な価値観さえも変えられるようになる。
6:催眠状態では認識や感情を操作できる。
 7:認識操作は目覚めたあとも持続可能。
 8:『目覚めろ』といえば緊急で起こすことができる。
 これが本当なら頭おかしいと思う。もしこれが本当じゃないなら、信じてる僕は頭がおかしい。 子供っぽい冗談を真に受けるなんて恥ずかしいとは思うけど、リンに手紙を書いてしまった。
 水泳部上がりでリンが戻ってきた。日暮れが近い。 疲れてるだろうに、まさか彼女が本当にくるとは…。
 もしこれが悪い冗談なら…何も起こらなくて僕は笑われるんだろう。 リンは僕がバカだと思うだろう…。 でも実際に起ったことは思ってたのとあまりに違うことだった。
生気のない声が返ってくる。機械音声のような声だ。 もしかしたらこれは本当に本物の催眠デバイスなのかも…。

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