幼馴染のユキナはサバサバしていて格好良くて、昔から男友達のような存在だった。二人で英語のロックを聞いて、おそろいのカブにのりながらいつかもっとカッコいいバイクにのりたいねと語り合っていた。僕とユキナは互いに異性として意識しながらも今の関係を壊したくなくて微妙な関係を保っていた。
…アイツが来るまでは。
転校生、リュウは明らかにアウトローだった。校則を無視した金髪。鍛えられた筋肉。変な時期の転校、明らかに訳ありだった。そんな彼に僕達は惹かれてしまった。普通じゃないことがかっこよく感じられた僕達は間抜けにもリュウに近づいてしまった。それが僕のユキナをあんなに変えてしまうなんて思いもせずに。
僕達の関係を見抜いた上でリュウはぬけぬけと僕に問う。
「なぁ、ユウくんってユキナちゃんとつきあってるわけ?」
「オレが手を出してもいか?」
その一方でリュウはユキナに声をかけていた。僕をダシにして。
こうして僕とユキナのラブストーリーがアイツに寝取られていった。
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