「大人の」アイドル編8:『初めての』営業の始まり

[凪沙みかん]

 岩亀さんから枕の話がでた時は正直に言えばちょっと困った。二人で応接室に呼び出されて、どもるような感じでもごもごと伝えられて、今までとはぜんぜん雰囲気の違う頼りない感じに見えてしまった。

 いままで清純なイメージで売ると言っていたのに、蓋を開けてみればこんなものなんだろうか。でも、正直どこかでちょっと安心した気がした。だって、もう一つの事務所では普段プロデューサーさんやスポンサーさんにセクハラされまくってるのに、こっちでは何もなかったんだから。これで結局、芸能界ってそんなもんなんだって私はいろいろ吹っ切れた気がした。

 そしておどおどと岩亀さんが出してきた私達の『初めて』の営業相手の名前を書いた封筒、それを開けた時に私達二人は怖いというより嬉しい気がした。というのも、封筒の中の紙に書かれていた名前は見ず知らずの人ではなくてそれぞれ私達二人のスポンサーさんたちだったから。知っている人たちだし、きっと楽しくなる。そう私は感じていた。

 昨日の『握手会』は楽しいスポンサーさんとの交流会だった。だって私達二人はもう何も面倒くさいことを考えずにアイドル活動に専念していいって約束されたようなものなんだから。あのあとプロデューサーさんの車でいちごちゃんを家に送って私はそのまま蝶野さんのお家に契約通り住むことになった。今日の朝は学校を休んで引っ越しだった。お父さんも母さんもニコニコして蝶野さんの言うことを聞くようにって当たり前のことを言って私を送り出してくれた。

 プロデューサーさんとの引っ越し作業はとっても楽しかった。プロデューサーさんが汚れてもいいようにって超ミニのホットパンツと無地のタンクトップのシャツをくれた。でも、ホットパンツはミニ過ぎてショーツを履くとはみ出てしまってダサいし、その上ホックが壊れていたせいで引っ越しのあいだ中、マンチラしまくりだった。しかも、いつもどおりちょいちょいプロデューサーさんがセクハラしてくるせいでなかなか作業は進まなかった。でも、それも含めてプロデューサーさんがかわいくてますます好きになちゃった。

 まぁ、結局引っ越しっていっても学校の教科書とかぐらいで衣類は今後は全部プロデューサーさんが好みのものを買ってくれるってことになって、持っていかないことになってしまった。ちなみに、今後普段の下着はセクシーランジェリーっていうのを着ることになるみたい。プロデューサーさんのオススメなんだからきっとおしゃれなエロかわ系なんだろうな。

 そんなこんなで学校休んだのにプロデューサーさんとじゃれ合ってたらすぐに岩亀さんの事務所に行く時間になってしまった。正直言えば、もっとプロデューサーさんと新しいエロかわコーデの話をしてたかった。

 でも、結局岩亀さんがプロデューサーとエッチするようにって頼んできたから全然オッケーだった。やっぱり、岩亀さんじゃ肩の荷が重かったんだと思う。蝶野プロデューサーみたいなベテランじゃないと。結局、全部プロデューサーの思い通りになってるみたいだし。

 もちろん私達二人は悩むこともなく枕営業に同意した。二人共さっそくスポンサー様と仲良くなってしまったみたいで、暇があるとSNSでスポンサー様とおしゃべりしていた。いちごちゃんなんかレッスンの途中でパイパンマンコをはだけてセクシーカットを先日借金の返済を肩代わりする代わりにスポンサーになってくれた木藻のパパに送信してたし。私だってプロデューサーさん以外にスポンサーになってくれた比企児さんと頻繁にメッセージのやり取りしている。頼まれたらこ断れないし、エロエロのセクシー写真を送ってしまう。はじめはキモイとおもっていたガリガリに痩せてチビな比企児さんも返信で送ってきた精いっぱい頑張ってみましたって感じの自撮りを見ればなんだかかわいらしささえ感じてしまう。

 そしてやっと退屈な岩亀さんの事務所の時間が終わって二人でプロデューサーさんの事務所に向かう。枕の話はすでにいっているみたいで、蝶野プロデューサーがこれから一週間は枕営業の練習するぞーって気合入れて台本とかエッチな言葉遣いとかを練習することになった。

[岩亀征夫]

 気が進まなかったが、兄貴に言われたとおり『ふるーつじゅーす』の二人に枕営業の件を伝えた。正直言って、私がそういうふうなことを考えているということさえ汚らわしかったのに、二人とも気にした様子すらなく、即座に首を縦に振った。

 気が動転していなかったといえば嘘になる。私の知っている『ふるーつじゅーす』の二人はそこらへんの線引きはきちんとしていると思っていたからだ。今までの私が彼女たちに抱いていたイメージは何だったのだろうか?それともこのたった数週間の間に彼女たちは私の知らない芸能界の闇を既に見てしまったのだろうか?疑問は尽きず、私はその日、転職してプロデューサーになって以来初めて仕事に手がつかなくなった。もちろん、私には彼女たちを成功に導く義務がある。それなのに、今日の私は全く集中できなかった。何か、あのクソ兄貴に好きなようにされているような胸騒ぎがするのだ。

 さらに露出を増していく少女たち。へんに噂が立つとまずいのでレッスンの後に呼び出して軽く注意した。けれども二人に伝わった様子はあまり感じられなかった。それどころか、『プロデューサーさんってファッションセンスないですよねー』っと二人から言われてしまった。どうしようもない違和感、なにか私の知らないところで二人が変わってしまったような悲しさがある。


[凪沙みかん]

 そして約束の日当日、私たちは学校から直接スタジオに向かった。これももちろん台本通りだ。いつだったかCMを撮影した場所だ。なんだかすこし懐かしい私たちにとってはいろんな意味で記憶に残っている場所だ。

「おお、まってたんやぞ!」

 現場につくと肥満体で禿散らかし木藻のおじさんの広げた腕のなかにいちごちゃんが飛び込んでいってそのまま背伸びしてキスしている。この前いちごちゃんの専属スポンサーになって『援助』を始めたおじさんだ。私も私の専属スポンサーになってくれた比企児さんに屈んでキスしてあげてる。妙に生暖かい指先にキスしてみるとなんだか、これから起こることを想像してジュンとなってしまうみたいだ。制服に包まれた私の胸が比企児さんの血色の良くない手に揉まれて形を変えている。まるで我が物顔でさわさわといやらしく私の体を縦横無尽になでる大人の手。私は抵抗もせずにそれを受け入れていた。むしろ、そこからかすかに感じる禁断の快感をちょっとだけ期待してしまっていた。

「ちーっす、みかんちゃん!いまの気分どう?」

 比企児さんにもてあそばれている私をあざけるようにおちょくりながらプロデューサーさんが言う。

「うーん、どうって言われても。これお仕事ですよね?」

 いつも習慣として制服のプリーツスカートをたくし上げて今日の下着をプロデューサーさんがチェックできるようにしながらいう。

「いやぁ、アイドルたるもの枕営業できて一人前みたいな所あるからね!みかんちゃんもいよいよ一人前ってわけだ。

 うん、白地にオレンジの縁が入った『清純派』ショーツだね。少し透けてるかな」

「もう!これから初エッチなんだから私だって少しは興奮しますって」

 私たちは学校や普段のアイドル活動中は『清純派』ショーツを履くことになっている。ぱっと見は白地にそれぞれのイメージカラーの縁取りをしただけの普通のショーツに見えるけど、少しでも濡れるとその部分が透けてしまう仕様になっている。おかげで体育の後とか結構大変だ。ほぼ毎回ショーツ越しに汗でパイパンアイドルマンコがスケスケになっている。

「ほら、二人とも首輪着けてさ。中にはいるよ」

 プロデューサーさんが声をかける。私達二人は学校かばんの中から黒い首輪を出す。『握手会』の時にそれぞれのご主人様から頂いたものだ。どこに行くときも肌身離さず持ち歩くように指示されている。なんだかどこに行ってもスポンサー様の持ち物だって意識されてしまう気がする。
 結構存在感のある黒皮の首輪で、それぞれ名前の下に大きく文字が掘られている。私の場合だと『明るいおバカビッチアイドル』。ちなみにいちごちゃんは『小悪魔ロリビッチアイドル』だ。

 首輪についている金色のチェーンをそれぞれのご主人様にひざまずいて捧げる。私達が自分から服従していることをご主人様方にお示しするためだ。こういう風に言うとなんだかひどいことをされているみたいに聞こえるけど、実際そんなことは全然ない。この一週間、スポンサーさんとはSNSで連絡を取り合っていたから親しみを覚えているし、蝶野さんの事務所でもアイドルとしてきちんとスポンサにお仕えする心構えみたいなものを叩き込まれたから、金色の鎖を比企児さんが握られた時にはなんだかアイドルとしてスポンサー様に認められた気がしてちょっと誇らし感じさえしていた。

 無造作に私達の首輪のチェーンが握られる。これを握られている間は私たちは四つん這いで歩かなければいけない。高校の制服姿のアイドルが二人スタジオの廊下を四つん這いで歩いていく。ちなみに二人ともスカートの後ろ側をめくりあげられてピンで制服の背中に止められてしまったのでショーツが丸見えだ。それを強調するように四つん這いでお尻をフリフリしながら歩くのもプロデューサーさんに教えていただいたメスアイドルとしてのテクニックだ。こんな風に私たちをきちんとしつけてくれているプロデューサーさんに心の奥底でますます感謝してついていきたくなってしまう。

「いちごたん、もうおまんまん透けてきとるやないか」

「だってぇ、パパのエッチイ視線がアタシのオマンコロックオンしてるんだもん」

 木藻の前ではすっかり毒気が抜かれて媚びているいちごちゃんが言い訳している。でも私も多かれ少なかれ同じようなものだっと思う。それに比企児様が革靴でトントンとクリトリスを後ろからつつかれているし、感じちゃっても仕方ないと思う。気持ちよくなったときは隠さず声を上げる様に教えていただいているのでつつかれるたびに声が漏れる。

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