三ヶ森学園敗北記

三ヶ森学園敗北記

【プロローグ1】 三ヶ森学園の入学式 鋳鞘岸斗

誰だってそうだろうが式典というのは退屈だ。たとえそれが俺自身の入学式だとしてもだ。いや俺自身の入学式だから余計に退屈なのかもしれない。周りにいるのはまだあって数時間のクラスメート。どうやら俺の中学のクラスメートの多くはこの学園、三ヶ森学園を...
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【プロローグ2】半年後の三ヶ森学園 鋳鞘岸斗

エピローグ3:その半年後 鋳鞘岸斗視点 入学から半年後…「おはよう。オイ、短小寝取られクン、こっちにこい!」一体何でこんな事になったんだろうか。月影先生が俺を呼び止める。厳しいことで知られていた学園理事長で弓道部の顧問。そして実はこの世なら...
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零ー壱日目 表 妖魔との邂逅 鋳鞘岸斗

カチカチと金属を打ち鳴らすような不気味な音がした。ざわつく夜の森、夏の風。俺は情けなくも尻餅をついていた、信じられない存在、いるはずのない化物が眼前にいた。 俺はいつもどおり学校を終えて予備校に通っていつもどおり家に帰るはずだった。帰宅のた...
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零日目 夜 妖魔との邂逅・裏 三ヶ森市鬼淵地区 宅岡出武男

鋳沢岸斗が大ムカデに襲われているちょうどその時、宅岡出武男は人気のない通りをトボトボ歩いていた。 クソがっ、メスガキどもがオナホの分際で人のことを臭いだの間抜けだの笑いやがって。オマエラ全員ぶち犯してやるからな。 ぶつぶつと独り言でそんな正...
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壱日目 夕 変態が乱入した団地の一室で 三ヶ森市 花崎団地 宅岡出武男

翌日。出武男は三ヶ森学園を休んだ。与えられた力に出武男の体がついて行かなかったのだ。四十後半の汚い四畳半は今や普通の人間なら嫌悪感しか感じない有様だった。出武男に与えられた力は虫を操る力だった。いや、正確には虫のような妖魔を操ることができる...
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弐日目 放課後 妖魔との戦いへの第一歩 三ヶ森学園 弓道部 鋳鞘岸斗

弓道部のマネージャーに指名された翌日。俺は何をさせられるのか少し期待して弓道部の扉をくぐった。だが、一瞬で俺は自分の期待に裏切られた。昨日の妖魔云々の話の続きはなく、ただ一ヶ森先生に、今日は買い出しに行ってもらう。男子だから重いのは平気だろ...
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参日目 夕方 浸蝕する妖魔 三ヶ森駅前 原崎望希

「オジサン、ちょっとこっちにきてくれませんか?」 制服姿の原崎望希が路地裏の陰から帰宅途中らしいくたびれた中年男性を呼び止める。「え、僕?」 戸惑ったように言って警戒しながら制服姿の少女に近づいていく中年男性。このあたりでも有名な三ヶ森学園...
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参日目 夕→夜 妖魔との最初の戦い 三ヶ森市鬼淵地区→三ヶ森駅前 鋳鞘岸斗

次の日の放課後、誰よりも早く弓道部にいって、弓道場の掃除をする。マネージャーという名前の雑用だが、妖魔と戦う彼女たちにできることはこれぐらいしかないと思うから。昨日、日影姉さんが帰ってきたのは11時過ぎだった。そんな遅くまで俺の住むこの街の...
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参日目夜 ほくそ笑む邪悪と生贄の少女 三ヶ森駅前 宅岡出部男

眼下で繰り広げられたのはまるでアニメのようなバトルだった。数日前にこの非現実的な力を得たとしてもまだ信じられないほどだ。だがまぁ想像できたことではあったのかもしれない。これほど非現実的な力を得たのだから、敵もまた非現実的な存在なのだろう。 ...
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【新章】肆日目 昼休み 可愛くSNS露出自撮りデビュー 三ヶ森学園 臣河沙田輝

最近友達がおかしい、そう競から相談されたのがきっかけだった。あたしだって別に機械に強いわけじゃない。でも弓道部のみんなが機械に弱すぎるから仕方なく、スマホとかの相談に乗ることが多くなった。そして競の先輩の話をされたのだ。「ボク、よくわからな...